先日デザインのひきだしNo.46の表紙に関する特集を紹介いたしました。

本特集記事では、デザインのひきだしNo.46の付録「箔押し&箔加工サンプルBOOK」ツジカワページの紹介をいたします。


今回ツジカワは

  1. 1枚目:「特殊箔押版(腐食版) 押し見本」
  2. 4枚目:「ツジカワ彫刻版 箔押し見本」

の2ページの付録を掲載いただきました。

腐食版 押し見本ページ

まずは1.「特殊箔押版(腐食版) 押し見本」はこのようなものです!

全体図
詳細図

おばけと唐傘小僧のモチーフが目を引きます。

実はこちらのモチーフをデザインいただいたのは、
デザインのひきだし編集長の津田様です!

津田様からコメントをいただきました。

 

ー今回なぜおばけのモチーフを選んだのでしょうか?
印刷加工物ながら絵柄が変わって見えるチェンジングと、
平面なのに立体に見えるというマジックエンボス。
どちらも不思議でおもしろい。
私はお化けも不思議なものだなと思っているので
意味合いもぴったりだと感じました。

ー完成品をみてどう思われましたか?
ツジカワさんの技術で、不思議さあふれるすばらしい箔押し見本になっていてひと目見て感動しました。
シーツお化けの立体感たるや! 思わず触ってしまいました。
傘お化けもきっちりあっかんべーをしてくれて愛おしいです。

 

マジックエンボスについて

津田様のコメントにも出てきましたが、おばけのモチーフに採用されている技術は

「マジックエンボス」という加工です。
マジックエンボスは弊社独自のデータ作成技術で、

浮き出ししていないのに浮き出ているような、立体的に見える効果を出すことができます。

シーツが膨らんでいるところや凹んでいるように見えるところがありますが、

触ってみると平らな状態で、だまし絵のような不思議な効果が目を引きます。

パッケージや本の表紙などで、「裏側に印刷があるのでエンボスでボコボコされてると困る。」

といったケースにも採用いただきたい版です。

 

チェンジングについて

一方、唐傘小僧のモチーフには「チェンジング」という加工が施されています。

目を閉じている絵柄が・・・
あっかんべーに変わります!

こちら文字通り、見る角度によって柄が「チェンジ」するためチェンジングと呼ばれています。

今回デザインのひきだしの表紙にもCosmotech↔Tsujikawaという文字が変化する部分がありますが、

同じ原理で作成されています。

ただし、表紙は彫刻版、付録は腐食版によるチェンジングです。

彫刻版で作成したほうが腐食版よりもチェンジングは鮮明になります。

いかんせん版の価格がだいぶ変わるのでツジカワにくるチェンジングのご注文は腐食版がほとんどです。

 

彩光腐食(2段腐食)について

付録ページ下方には通常腐食(1段腐食)彩光腐食(2段腐食)の表示があります。

 

この通常腐食(1段腐食)と彩光腐食(2段腐食)とは何でしょうか?

簡単な図解で表すとこのようになります。

 

通常、箔押し版は1段階のみの腐食ですが、彩光腐食版(2段腐食版)では、

浅い腐食と深い腐食の2段階になっているため箔押しの中に柄がある状態を作り出すことができます。

マジックエンボスもチェンジングも腐食の仕方は上記と同じになります。

彩光腐食(2段腐食)という大きなくくりの中にマジックエンボスやチェンジングがあるという感じです。

 

彫刻版 押し見本ページ

続いて2.「ツジカワ彫刻版 箔押し見本」のページについて

アルファベットや漢字が色々なエンボス形状や模様で表現されています。

この箔押し・エンボス加工は下記のように紙を上下の版で挟んで1工程で加工されています

(箔・エンボス同時押し)。

紙の下に置かれる樹脂版は、金属の元型に樹脂を流し込んで形成します。

このようにエンボスの形状(盛り上がり方)にバリエーションをつけられるのは

彫刻版ならではの加工です。

彫刻版は腐食版と違い、機械で彫刻されるため、丸みを帯びたエンボスや、台形、

ダイヤカットのような複雑なエンボス形状を作ることができるのです。

 

押し見本はツジカワにできることのほんの一例です!

腐食版・彫刻版どちらにも言えることですが、

この見本帳はツジカワにできることのほんの一例です。

今回のデザインのひきだし表紙のように、モチーフに合わせた質感をおまかせで入れてください!

というような注文も大歓迎ですので、見本帳片手に想像を膨らませていただけると幸いです。

ご不明な点はHPの問い合わせフォームから、または弊社営業にお気軽にお問い合わせください。