箔押しとは?
箔押し (はくおし)とは、箔版と呼ばれる金属凸版で箔を印刷物に押し当て、熱をかけることで版に彫られたデザインを紙などに転写する印刷方法です。
箔や版を変えることで、光沢のあるメタリックな仕上がりや、ザラザラとしたマットな仕上がりを実現できます。箔押し は通常の印刷では再現できない高級感や特別感を演出し、デザインを際立たせるのに適しています。
実は私たちの身の回りには箔押し印刷が施されている製品が数多くあります。
名刺、紙器パッケージ、お酒のラベル、トレーディングカード、年賀状etc…
注目してみると、ありとあらゆるところに箔押し加工を見つけることができます。
ツジカワは箔押し 加工に使用される印刷用金型(箔版)のトップメーカーとして、長年箔押し版作製に携わってまいりました。
箔押し 印刷の仕組み
箔押し印刷には
- 箔版
- 箔
- 箔押し機(および加工業者様)
が必要になります。ひとつずつ解説していきます。
箔版について
箔を印刷するための金型である、箔版には大きく分けて「腐食版」と「彫刻版」があります。
腐食版
腐食版は薬品で金属を腐食(エッチング)して製作された版です。
日本国内の箔押し印刷に最も一般的に使用されています。 ツジカワで取り扱っている材質は銅とマグネシウムの2種類です。
通常のベタ版の他に、版面に微細なエンボスを入れ込んだ彩光腐食版や、マジックエンボス版などの特殊箔押版もあります。
腐食版の詳細はこちらの記事も御覧ください。
→彩光腐食版で 箔押し 加工の可能性を広げよう!2023年のツジカワ年賀状について
彫刻版
彫刻版は切削工具で金属を削り出して製作された版です。
近年ではマシニングセンタ(プログラミングに従って自動で切削や穴あけをしてくれる機械)で 製作することが一般的です。
腐食版に比べると高価で作成納期がかかりますが、 耐久性が良い、複雑な凹凸表現が可能、箔押とエンボスの同時加工が可能といった利点があります。
腐食版の詳細はこちらの記事も御覧ください。
→デザインのひきだしNo.46表紙 箔押し加工について ②彫刻版(肉付箔押し版)作成
箔について
箔押し印刷に使用される箔は、金属粉(アルミなど)をフィルムに蒸着してロール状に加工したものです。
メタリック箔(蒸着箔)、顔料箔、ホログラム箔など、非常に豊富な種類があります。
箔ロールはおよそ4~6μの薄さです。以下のようにレイヤー構造になっています。
- ベースフィルム
- 離型層
- 着色層
- 蒸着層
- 接着層
熱した箔版をフィルム層側からあてることで、離形層から下がはがれ、絵柄が紙に転写されます。
箔は、色味・絵柄だけでなく、接着面・接着剤の種類も豊富です。箔押しをする紙の種類、表面加工の有無などによって、箔を使いわける必要があります。
箔押し機(および加工業者様)について
最後に箔押し機です。
箔押し機には、熱盤が上下して箔押しを行うアップダウン機と、円形のローラーが回転して箔押しを行うシリンダー機の2種類があります。
こちらが弊社で、校正押しやサンプル作成時に使用している手差しのアップダウン箔押し機です。
一般的な箔押しの温度は110℃~130℃程度です。熱をかけると版が膨張するため、それも計算にいれて版を作製しています。
箔押しには、箔と紙の相性、機械の性質、版の種類など、様々な要素が絡み合っています。 ですので「必ずうまくいく」という方法がないのが面白くも難しいところではあります。 箔押しが理想の仕上がりになるように、ツジカワでは加工業者様に対する技術指導を行うこともございます。
→【保存版】 箔押しマイスターが教える!箔押し前の準備いろいろ
ツジカワの箔押し 版ができること
ツジカワでは通常の箔押し版だけでなく、
微細なテクスチャーを表現できる彩光腐食版、箔押しとエンボスを同時に行える肉付箔押版など、
箔押しにさらなる付加価値を加える版を多数ご用意しております。
箔押しサンプルのご希望や、ご不明な点があればお気軽に問い合わせフォームからお問い合わせください。