箔押しの新時代到来!1921年創業の老舗が贈る。箔押しの常識を覆す「プレミアム箔押しサンプル」
箔押し (はくおし)とは、箔版と呼ばれる金属凸版で箔を印刷物に押し当て、熱をかけることで版に彫られたデザインを紙などに転写する印刷方法です。
金や銀にキラキラと輝く箔押しは高級感を出したり、商品の価値を高めるのにうってつけの加工ですが、今回ツジカワは、さらに複雑で高度な表現を可能にする箔版による押し見本を作製いたしました!
その名も「プレミアム箔押しサンプル」です!

プレミアム箔押しサンプルとは?
タイポグラフィが所狭しと配置されたこの箔押し見本ですが、実は版の技術ごとに4つのゾーンに分かれています。そして、それぞれの技術名はその技術を使って箔押しされているのです!1つずつ見ていきましょう。

の4つのゾーンに分かれる
通常箔押し

通常箔押し版はもっとも一般的に使用される箔押し版です。
そのシンプルさゆえに、パッケージ、カレンダー、クリアファイル等様々な場面で活用されています。
彩光腐食

版の表面に微細なテクスチャーを施し、箔押し部分に繊細な絵柄を表現することができる加工技術。
年賀状・ポストカード・高級ブランドの紙器パッケージなど、ワンランク上の仕上がりを求める場面で活躍します。
光の角度によって表情が変わるため、独自性や高級感を演出したいデザインに最適です。
チェンジング

「CHANGING」の文字が角度をかえると・・・

上下左右に傾けると、光の反射によって異なる絵柄が浮かび上がる特殊な表現技術です。
加飾としてのデザイン性だけでなく、セキュリティ強化や偽造防止の目的で、医療品・ブランドタグ・キャラクターグッズなどに広く活用されています。
通常は2種類の絵柄を切り替える仕様ですが、条件によっては最大3種類のチェンジも可能です。
ご依頼の際は、切り替えたい絵柄をご用意ください。ツジカワにてデータを作製いたします。

マジックエンボス

目の錯覚を利用して、エンボス加工をしているような立体的な表現ができます。
ラベルや紙器パッケージに、エンボスの質感を加えつつ、フラットな仕上がりを維持できるため、陳列時の干渉を避けたいデザインにも適しています。
比較的新しい技術のため市場での実績は少ないものの、その分、独創的な表現を求めるデザイナーやブランドにとって大きな差別化の武器になります。

ツジカワの技術が結集—箔押しサンプル誕生の舞台裏
箔押し×デザインのこだわり
プレミアム箔押しサンプルのデザインは、株式会社サンデザインアソシエーツ様にお願いしました。ツジカワにいると当たり前になりがちですが、そもそも「箔押し」は印刷技術の中でもニッチな分野です。
そして、その箔押しを支える「箔押し版」は、さらに世間からは見えにくい存在でありながら、仕上がりを大きく左右する重要な要素。
一目でツジカワの技術力が伝わるようなデザインを依頼しました。

同じように見えるが実はかなり文字や配置が変わっている
デザイナーの方々へ「版によって、ここまで箔押しの表現が広がるんです!」とお伝えする中で、私たち自身も自社技術の可能性を改めて見直す貴重な機会となりました。
試行錯誤を重ねながら検討を進め、最終的なデザイン決定までに約半年の時間を要しました。その間、根気強くお付き合いいただいたサンデザイン様、本当にありがとうございました!
トライ&エラーで実現した箔押し版
デザイン案が決定したので、まずはテスト版を作成しました。

明朝の細い横棒が箔で埋まってしまう。
テストしてみたところ、字体が明朝体のため、細い横棒や細かい文字が箔で埋まりやすくなる傾向がありました。

テスト結果をもとに、問題のあった箇所をデータ上で一つひとつ修正。
箔押しの難しさは、「絵柄」「版」「紙」「箔」「機械」「温度」「圧力」など、さまざまな要素が絡み合い、仕上がりが大きく変わる点にあります。版を修正しても紙や箔が変わると仕上がりはまた違ったものになるのです。
しかし、どんな条件でも美しい箔押しを実現できる版を作ることが、私たちの究極の理想です。
難易度の高いデザインでしたが、ツジカワの技術とこれまでの知見を活かし、何度もテストを重ねた結果、納得のいく仕上がりの箔版を作製できました。

箔切れが良く、耐久性にも優れた銅版を使用


彩光腐食やチェンジングは、広い面積に均一に箔を押すことが重要になります。広範囲のベタ箔押しと同様に、ムラなく美しく仕上げるには高度な技術が必要です。
数々の高難易度の箔押しを手掛けられてきた美箔ワタナベ様なら安心してお任せできると考え、お願いしました。
(…とはいえ、立ち合いにかこつけて工場見学にも行きたかったのですが!)当日は工場長の籠田さんに案内していただきながら、箔押し工程を見学しました。

箔押しは自動箔押し機(用紙を自動でセットし、箔押し後に排出する機械)で加工されていましたが、すべてが完全自動というわけではありません。
版のセットや位置合わせは職人の手作業で行われ、圧力の調整も仕上がりを確認しながら、細かく調整されています。

機械の力と職人の技術が組み合わさってこそ、精度の高い箔押しが実現するのだと改めて感じました。

仕上がりはA4サイズのプレミアム箔押しサンプルですが、実際の箔押しは四六四切サイズ(545×394mm)の大きな用紙に施されました。
このサイズを使うことで、紙の中央に版を配置でき、ムラのない均一な箔押しが可能になるそうです。

このまま額にいれてもかっこよさそう!
使わない部分が出るものの、最高の仕上がりを追求するためのプロならではのこだわりに感銘を受けました。

最後に、箔押しされたシートを化粧裁ち(仕上げの断裁)していただき、プレミアム箔押しサンプルが完成しました!

プレミアム箔押しのコスト感と活用シーンについて
ここまでお読みいただき、「プレミアム箔押しサンプルの技術を使った版の価格はどのくらい?」と気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
価格は面積によって変動するため、一律にはお伝えできませんが、下記のチャートをご覧いただくと、それぞれの技術の価格帯や特性がイメージしやすくなります。

「彩光腐食」「チェンジング」「マジックエンボス」は、通常の箔押しと比べると高価格帯になりますが、一般的に彫刻版よりはコストを抑えやすいケースが多いです。
(彫刻版は面積だけでなく、デザインの複雑さや彫刻の深さによって価格が大きく変動します。)
1工程で複雑かつ特別感のある表現が可能、かつ彫刻版ほど高価ではない、ということから下記のような場面で多く採用されています。
- グリーティングカード(年賀状・クリスマスカードなど)
- 婚礼関連アイテム(のし袋・インビテーションカード・席札)
- プレミアムパッケージ(わさび・チョコレート・カレー・シチューなど)
スーパーマーケットや雑貨屋さんの棚を見てみると、プレミアム箔押しサンプルに使用されている箔押し技術がきっと見つかるはずです!
1921年創業、彫刻技術の伝統と革新が生み出すプレミアム箔押し
ツジカワは、1921年の創業以来、100年以上にわたり彫刻技術をコアとしたモノづくりを続けてきました。

右の人物はよく見るとタガネで版を加工しており、
奥にはずらりと汎用彫刻機がならんでいる。
腐食技術を用いた製版は1929年に導入され、それ以来ツジカワの看板商品のひとつとして確立。現在では、名だたる数々の企業と取引を重ね、国内トップクラスの箔押し版・エンボス版メーカーとしての地位を築いています。
ツジカワは、熟練の職人が培ってきた技術と、最新の設備を融合させることで、今もなお、箔押しやエンボスの新たな表現を常に追求し続けています。そして、そんなツジカワだからこそ実現できたのが、今回の「プレミアム箔押しサンプル」なのです。
X限定!プレミアム箔押しサンプルプレゼントキャンペーン
そんなプレミアム箔押しサンプルをプレゼントするキャンペーンを実施中です‼️

【参加手順】
① ツジカワ㈱(@tsujikawa1921)のXアカウントをフォロー
② 「#プレミアム箔押し」を付けて投稿
抽選で50名様にプレミアム箔押しサンプル&解説書を進呈
応募期間:2025年3月21日(金)〜4月4日(金)23:59
ぜひご参加下さい!
